個人開発で SI 業界向け SaaS『DocChain』を作って公開した話

はじめに

SI 現場で「設計書づくりに 1 週間溶ける」を何度も経験してきた個人開発者として、これを LLM で半自動化する SaaS『DocChain』を作って公開しました。LP は getdocchain.com、アプリ本体は app.getdocchain.com/wizard で稼働しています。

本記事は DocChain Builder in Public シリーズの第 2 回 として、なぜ作ったか、何ができるか、どう作ったか、これからどう進めるかを 1 つにまとめたものです (第 1 回は Qiita の 「AWS パラメータシート手書きの苦行を、AI で自動化する SaaS(DocChain)を作り始めた話」)。

動機 — 設計書工程の繰り返し作業を消したい

SI 案件で AWS パラメータシートを 1 本書くのに 8 時間近くかけていた時期がありました。VPC、サブネット、SG、RDS、ALB と 1 リソース 1 行で Excel を埋めていく作業で、半分以上は機械的に決まる項目です。テスト仕様書も同じで、詳細設計書から派生する単体・結合テストの観点は、7 割が「決まったパターン」を機械的に展開しているだけ。

同業の SE と話すと「Excel に殺される」が共通言語になります。一方で生成 AI は、構造化された設計書からの派生ドキュメント生成が得意な領域です。GPT-4o レベルになって、ようやく実用品質の連鎖生成が個人レベルで作れる状況になりました。

DocChain でできること

DocChain は 「設計書を AI で連鎖生成する SaaS」 です。要件定義書 → 基本設計書 → 詳細設計書 → テスト仕様書、という SI のドキュメント工程を AI でつなぎます。

入口は Wizard 形式 — 設計書がまだ無い人にも開く

当初は「基本設計書 (YAML) を入力して連鎖生成」という UX で立ち上げましたが、「YAML を書ける人がそもそも少ない」 という壁に当たりました。「設計書を書けるベテラン向け」に絞ると、ターゲットが薄くなります。

そこで 5〜7 問の選択式 Wizard に切り替え、「設計書がまだ無い人にも価値を提供する」ポジションへ転換しました。たとえば以下のような問いに答えるだけで、AWS の構成案 (パラメータシート YAML) が生成されます。

これにより、「初めて AWS で立ち上げる SE」「上司に基本設計書を求められた中小 SIer の若手」「個人開発者・スタートアップ」も入口に立てるようになりました。

ターゲットと、あえて捨てるセグメント

狙うのは以下の 3 ペルソナです。

逆に、大手 SIer 社員 (ツール選定権なし、お客様標準縛り)金融・公共系 (機密性問題でクラウド不可)Web 系完全アジャイル企業 (設計書文化が薄い) はあえて捨てています。富士通 Takane など大手向け AI と正面衝突せず、Takane の射程外に集中するのが戦略の根幹です。

価格プラン

プラン価格月生成回数用途
ベータ (〜2026 年末)完全無料月 50 回フィードバック取得期間
Free (正式版〜)¥0月 3 回入口・コミュニティ
Pro (正式版〜)¥4,980月 50 回経費計上ライン (ChatGPT Plus 同等)
Team (v0.3)¥9,800共有中小 SIer のチーム利用

個人開発で集客が苦手なのは自覚しているので、Free 月 3 回でまず入口を広げ、Pro は経費計上できる ChatGPT Plus 同等水準に置きました。

技術スタック

LP とアプリで構成を分けています。

LP (getdocchain.com) — AWS サーバレス

App (app.getdocchain.com) — Vercel + LLM

あえて作らないもの

個人開発で手を広げすぎないために、明確に「作らないリスト」を持っています。

「設計書 → 設計書」一本に絞ることで、SE 経験という参入障壁が最大化されます。

これから / Builder in Public で記録する

今後はこのブログと Qiita で、月 1〜2 回ペースで以下を残していきます。

ベータテスター募集中

現在、ベータテスターを募集中 です。〜2026 年末まで完全無料 (月 50 回) で、条件は「1 件以上の生成 + 5 行程度の感想」だけです。

2 つの入口があります。

料金プランの詳細は /pricing、ご意見・ご要望は /survey から受け付けています。